眉間にいつの間にかできてしまうシワは、第一印象で「気難しそうだな」「怒ってるのかな?」と思われたり、年齢より老けて見られたりと、あまりいいものではありません。ただ加齢で肌の成分量が低下することも原因の一つであることから、ヒアルロン酸を使ったシワ治療が有効だと考えられています。ただ一体どんな治療なのか、その方法が気になりますよね。そこでヒアルロン酸とはどんな効果があるのか、そのメリットや治療内容について、詳しくご紹介します。
ヒアルロン酸とは?
ヒアルロン酸は、人間の体内に存在する成分。細胞と細胞の間で水分を保つ働きがあります。細胞の周りにあるムコ多糖類の一種で、粘り気のある粘着性の物質ですが、ヒアルロン酸は多数あるムコ多糖類の中でも、水を保持する能力がとても高い物質です。その保水力はヒアルロン酸の重量の約6000倍の水分、1gのヒアルロン酸があるとすると、水を6リットル分ため込めるという計算になります。
ヒアルロン酸は細胞のある場所、つまり体中のあちこちにあり、体の働きを助けています。どのような場所でヒアルロン酸が働いているのか、その役割を見ていきましょう。
皮膚の水分を保つ働き
ヒアルロン酸は真皮にあり、コラーゲンやエラスチンと互いに影響し合いながら肌のハリを保っています。加齢と共にヒアルロン酸の量が減少すると、真皮内で張り巡らされているハリを保つコラーゲン、そしてコラーゲンを束ねているエラスチンがどちらも減ってしまいます。また真皮内にコラーゲンやエラスチンが少なくなっていると、ヒアルロン酸を注入しても受け止めることができず、肌のハリを取り戻すことが難しくなります。
関節のクッションの役割
骨と骨をつないでいる関節液や、骨と骨が接触する部分にある関節軟骨にも含まれています。腕や足などを動かす時に、ヒアルロン酸が滑りを良くし、衝撃を和らげる働きをしています。
目の形を維持する働き
目の硝子体にはヒアルロン酸が含まれ、目の中で最も水分が多い部分です。そのヒアルロン酸が水分を保持し、形を保っているので、きちんと見ることができるようになっています。
体の中のヒアルロン酸は、30代から急激に減り始め、40代になると生まれた時の赤ちゃんが持っているヒアルロン酸の約半分、そして60代になるとさらに減ってその半分になります。つまり、赤ちゃんの時に比べ、わずか25%ほどしか残っていないのです。そのため水分保持ができないことから血管が硬くなったり、関節に痛んだり、肌のハリがなくなりたるむといった老化現象が現れるのです。
眉間のシワへの効果とメリット
顔のシワなどの場合、乾燥が原因でできているものについては、保湿ケアをすることで改善ができますが、加齢などでヒアルロン酸が減少してできてしまったシワについては、外からのケアだけでは改善できません。そういったシワに効果があるのは、ヒアルロン酸を注入するシワ取りケアです。
ヒアルロン酸は、体内ではタンパク質と結合した複合体ですが、これを科学的に抽出してナトリウムと合成し、化粧品や目薬などに加工されています。それを使い、直接肌に注射するのがヒアルロン酸注入です。シワができやすいこめかみやあご、ほうれい線といった顔のあらゆる部分に施術が可能です。その中でも眉間のシワはほうれい線と同じように目立ちやすいシワであるため、即効性のあるヒアルロン酸注入はシワ取りに効果的とされています。
さらに眉間にヒアルロン酸注入をすることには、以下のようなメリットがあります。
眉間のシワを目立たなくする
深く刻まれてしまったシワであっても、ヒアルロン酸を注入することでハリを取り戻すことができるため、ふっくらとした眉間になり、シワが目立たなくなります。
すぐに効果がある
注入してすぐにその効果が実感できるのが、ヒアルロン酸注入の最も大きなメリットといえます。注入した内側からヒアルロン酸が皮膚を持ち上げるので、少量で確実に効果が出ます。
施術したことが周りにバレにくい
整形手術などをした場合、顔が腫れたり内出血していたりと見た目ですぐに分かってしまうのでしたくないという人も少なくありません。一方ヒアルロン酸注入は同じように美容整形の一つですが、短時間で簡単な施術なので、次の日からメイクができるなど自然に過ごせるのがうれしいですね。
眉間のシワがなくなるだけで、怖い顔の印象が一気に和らぎますので、すぐ効果のあるヒアルロン酸注入はとてもおすすめの施術といえます。
ヒアルロン酸注入のデメリットは?
メリットの多いヒアルロン酸注入ですが、誰にでも効果が確実に出るわけではありません。そのデメリットも理解した上で、施術を受けることが必要です。
痛みがある
注射で注入するため、痛みがあります。シワの深さや範囲によって何回かに分けて入れることもありますが、痛みに敏感な人の場合は強く感じることがあります。また人によっては痛みが継続することもあります。
腫れたりしこりができることがある
注射で内出血をしやすい人の場合は、注射した部分が腫れることがあります。またヒアルロン酸は様々な会社から色々なものが出ており、体質に合う合わないといったことが起きる可能性もあります。万が一しこりを感じる、皮膚がでこぼこした状態になるなどした場合は、ヒアルロン酸を分解するヒアルロニダーゼを注射すれば溶解ができますので、再度ヒアルロン酸注入をすることが可能となります。ただしヒアルロン酸自体にアレルギーが起きる可能性もごくわずかですがあり得ますので、その場合は注入ができません。
効果がある期間が短い
体の中にある成分と同じであるため、やがて吸収されてしまいます。そのため効果は永久ではなく、短い場合は1ヶ月から2ヶ月程度でなくなってしまうことがあります。そのため継続させるためには定期的な注入が必要となります。
血流障害が起きることもある
眉間は動脈が少ないため、ヒアルロン酸注入で血管が閉塞してしまい、血流障害が起きたり、目の動脈に流れ込んで目に障害が起きる可能性もあります。全ての人に起きるわけではありませんが、使っているヒアルロン酸の種類や、施術する人によっても何らかの障害が起きる可能性はありますので、きちんとカウンセリングを受けた上での施術が必要です。
またヒアルロン酸注射を繰り返すことで、注射針の跡がたるむといったことも起きる可能性があります。ヒアルロン酸注入は比較的お金がかかり、量にもよりますが1回5万円以上ということがほとんどです。すぐに効果があるなどメリットも大きいのですが、その分支払いも大きいことを忘れず、確かな美容外科や病院での施術を受けることが必要です。
ヒアルロン酸注入の治療内容
ヒアルロン酸注入は以下のような手順でおこなわれます。
1.カウンセリングをおこなう
実際にシワの状態を見てもらい、どれぐらいのヒアルロン酸注入をすればいいかを判断してもらいます。またヒアルロン酸をいくつか取り扱っている場合、どのヒアルロン酸を使っているかなど確認します。アレルギーや感染症などの説明を受け、納得した場合は施術の日程を決めます。当日すぐできる場合もあります。この時、もしくは施術する日に、施術前の写真を撮ります。
2.施術をおこなう
眉間にヒアルロン酸を注入していきます。量や範囲にもよりますが、短ければ5分ほどの施術で済むことがほとんどです。また針の痛みが怖い場合は麻酔入りのヒアルロン酸などもあり、麻酔をしてから注入することも可能です。カウンセリング時に相談しておきましょう。麻酔を使う場合は通常の施術時間に10分から20分程度プラスで時間が必要となります。
3.アフターサービスを受ける
注入後はすぐに帰宅可能で、メイクもできます。ただし腫れや痛みが引かない場合や、効果が現れない場合などには再度施術を受けることも可能です。アフターサービスが保証されているプランを選ぶと安心です。効果が持続する期間は、使用したヒアルロン酸によっても違いがありますが、3ヶ月から半年程度です。再度注入することで、だんだんと効果期間が延びていきます。
ヒアルロン酸注入で注意すべきこと
ヒアルロン酸注入の施術を受けるにあたって、どんなことを注意するべきでしょうか。できるだけ後のトラブルを防ぐためにも、カウンセリングで納得いくまで説明を受ける必要がありますが、自分でも注意しておくことが大切です。
価格だけで選ばない
ヒアルロン酸を価格で選んでしまうと、効果時間が短いものだったり、逆に長いものの場合、ヒアルロン酸を溶かす溶剤が使えないため、うまくシワが取れなかったとしてもやり直せない可能性もあります。万が一のことも考え、アフターフォローの有無を確認しましょう。
ただし時間はかかりますがヒアルロン酸が体に吸収された後なら、新たにヒアルロン酸注入の施術を受けることは可能です。
注入した当日は運動や飲酒を控える
日帰りで施術を受けることが可能なヒアルロン酸注入ですが、注射を打って体内にヒアルロン酸を入れていますので、運動をしたりするとヒアルロン酸が定着しづらくなります。また気になるからといって、眉間を触ることも逆効果なので、ヒアルロン酸が安定するまではメイクも軽くするなど注意が必要です。
経験豊富な病院を選ぶ
ヒアルロン酸注入は比較的簡単な施術であるため、サロンによっては経験の少ない人が施術をおこなっていることもあります。さらに施術の料金が安い場合には、取り扱い状況などから細菌感染が起こることもあり、それが施術失敗につながることがあります。
失敗を防ぐためには、信頼できる美容外科や豊富な経験のある医師がいる病院を選ぶといったことも必要です。また、病院では失敗していないといわれたとしても、自分が納得いかないのであればそれも失敗の一つだといえます。施術を受けた病院でやり直してもらうのが一番ですが、それができない場合は他の美容外科で相談をすることも必要です。
年齢によっては注入したヒアルロン酸が思ったより早く吸収されてしまい、効果がすぐなくなってしまったということもあるため、カウンセリングで説明を受けた時と話が違う、言われた通りにならないという場合には、早めに施術してもらった病院やサロンに行き、現状を見てもらうようにしましょう。